本学は未診断疾患イニシアチブ(IRUD)拠点病院になっています。今回、症例報告が掲載されました。
マルファン症候群の原因遺伝子でもあるFBN1の最終イントロンの塩基置換で、スプライシングに影響が出る(エクソンがスキップする)ものの、NMDは受けないことを実験で確認しました。FBN1のC端にはホルモン作用のあるペプチドが含まれており、このような最後のほうの病的バリアントによる疾患(MFLS)は典型的なマルファン症候群と少し異なった臨床特徴を示します。これまで世界でも10例程度の報告しかない、まれな病態です。

阪大のIRUD解析センターを始め、各診療科、CGCの皆さんにもお世話になりありがとうございました。本日無事Open Accessとなりました。

A case of Marfanoid-progeroid-lipodystrophy syndrome: experimental proof of skipping exons and escaping nonsense-mediated decay.
Moriwaki T, Masuno M, Nagata M, Ishihara Y, Miyashita Y, Asano Y, Takao K, Tawa K, Yamanouchi Y, Miki A, Otomo T.
Human Genome Variation volume 10, Article number: 27 (2023) PMID: 37845262
https://www.nature.com/articles/s41439-023-00255-8